Tomorrow of the same rabbit (2)/篠有里
 
神の視点で、一つの眼で、見下ろして、
私という一日はまた同じように、何もないまま夢の駅から帰還する。

使われることの無い片道切符はウサギの右耳。
希望の開始に向かって飛び立てないあなたと私の耳は、
またハサミの跡が残ってうち捨てられる。

ほら、やっぱり、今日という日も伏せていく。

決して聞いたことの無い、
きゅう、きうう、くう。バチン。
ウサギの鳴き声が一瞬聞こえたような気がして、
あなたは、私は、同時に目を閉じる。
そして、手をつないで、今日という日を去りはじめる。

そう、愛しい同じウサギの明日に。
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