十四の夏/はなびーる
 
年下のきみと手つなぎ抱いたクスの木はまぼろしか 分校の夏


おとこ先生、おんな先生、と生徒は呼びけりわが父母(ちちはは)を


寂しさを語るすべさえ知らぬまま宿直室で聴くヴィヴァルディ


「おねえさん」と呼ばれくすぐったく思う肩に食い込むスクール水着


濁流に呑まれし校舎今もなおまぶたの裏にきらきらし夏
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