終点の駅/
石川あんこ
くがとるのだから」
目の前が明るくなった
中心には湯灌すらままならない冷熱
車掌さん…これがあなたの行きたかった場所なのですね
終点の駅に降り立つと
白黒模様に身をつつんだ馬が、菊の花を口に銜えて
佇んでいる
ニヒルだわねぇ
青空よ、青空よ
この骨だけになった車掌を
無事に家に帰しておくんなさい
春の突風が車掌をどこかに運んでいってしまったの
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