愛されるべき私/篠有里
私の愛する匿名性、およびそれらの根元たる悪よ。
私はいつも何かから隠れたいと思い
なぜなら
最も気に入るべき私の影、私が知っている暗がりからの影の輝き
現在私が知り得ないことをじっと見つめることが
誰かのエゴで動かしたその唯一の部分を愛するから。
状況は刻々と変わる。
私は、単にわたしとすれ違いたいだけ。
いつもそうする時のように、私に、何か、こう、常識的な
真実の手が優しく撫でる、絶対命題を与えて欲しい。
何かの後ろに隠れて世界を見る私は
すべての即時を超越したいと密かに告げ
名前のない私は、白い雪の多い野原に立ちつくしてま
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