目覚め/篠有里
 
に水位を上げ、

それでもなおかつ破滅の予感を誰にももたらしはせずに、

あくまでひそやかであり続ける。

誰もがいつしかその水に飲み込まれ、

自ら深く沈んでいく未来という名の終わりを待ち望み、

夢見て、夢見て、暗い水の中から

白い月色を精一杯手を伸ばして哀しく望む、



(それによって夜明けはやって来る)



たくさんの人々の群れが、あなたには見えますか?
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