「僕の体にしっぽがはえた」/ベンジャミン
思えば
しっぽを抜く必要もないのだろうか
退化した僕はすでに要らない自分
さっきより
しっぽが長くなっている気がした
あきらめがとりついて
蚊取り線香みたいな渦巻きの中
失望がぽつんと中心にある
(ホントウニ ソレデ イイノカイ?)
思えば
しっぽを抜いたあとの自分はどうだろう
それが進化であるならば
僕は
さっきより
しっぽが短くなった気がした
少しずつ忘れていた何かが込み上げてきて
蚊取り線香の渦巻きみたいな戸惑いが
灰に変わって消えてゆく
(ソレガ キボウッテヤツナンダゼィ!)
僕は
やっぱりちょっと恥ずかしかったけど
明日の目標を口にしてみた
しっぽはもう無い
それが
これから先への一歩だった
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