「僕の体にしっぽがはえた」/ベンジャミン
朝起きたら
しっぽがはえていた
慌ててひっぱって
ひっこ抜こうとしたけれど
しっぽはするりとまるまるだけ
かつて人がサルだった頃
当たり前にあったのだろうしっぽは
いらなくなって退化した
もしかしたら
僕は退化してるのかもしれない
人からサルへ
思えば明日の目標も
例えば将来の夢なんてやつも
何処かに失くしてた
僕は
恥ずかしいやら困ったやらで
自分にはえたしっぽと格闘する
かつて人がサルだった頃
しっぽが当たり前にあったことは
かつて僕が僕だった頃
しっかりとした何かがあったことと
ひどく似ている
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