パイオニアペンギン/美味
どうも、初めまして
そういって差し出された名刺には
川田、と書かれていて
その時少し気になることがあったが
構わず私も名刺を渡した
彼は私の名刺を一瞥してから
スーツのポケットにしまい
私に適当に座るように勧めてきた
しかし、辺りはペンギンだらけで
どうやって座れば良いのか分からなかった
そうして立ち尽くしていると
彼はペンギンを退かして場所を作ってくれたが
そこには卵があって
それを潰さないように座るのは大変だったし
座り心地も悪かった
二時間くらい彼から話を聞いて談話は終わった
時折吹く潮風は冷たくて
私の唇はすっかり紫色になってしまったが
彼は寒さに慣
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