星の話その他/ふるる
五つの星は夜生まれた
けれどその話はまた今度
青い とつぶやくと
その唇の形から魚だった時代のことが思い出される
泡は真珠とまんまるな月との間に生まれた
苦しくなって止めてしまう
抱き合った手の形は
木の幹にからまるツタのようで
背中は木の匂い
手は葉の触れ方を
少しの間思い出しているようだ
突然の雷とともに雨が降り出す
今日で一体何度目の雨なのか
睫毛に何度目かの雨を宿す
雨は変わらずに変わらない変わりようもない匂い
突然の雷はいつも突然
去る
去っていった人々のことを想う
想うけれどもうとても遠い
遠くにいてただ佇む
ただ佇むという難
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