薫風の夜/なごまる
 
薫風の夜には踊るよ
こんな夜は久しぶりさ

白金色の月がやけに明るいんだ
漆黒の彩りを熔かしてく月光

いいじゃんか たまには

ケダモノよ眠れ


夜風にまざった香りに惑い
月明かりに舞う花びらを思う
時は移ろい香りは霞むものさ

いいじゃんか それでも

咲き誇れ花よ


色を失う花々と
貪り疲れたケダモノ達の哀しみで
今宵ゆるゆる季節はめぐる

いいじゃんか それも

せめて薫風の夜には踊ろうよ
それがこの世のならいなのさ


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