うさぎとの思い出/
夕凪ここあ
出すから
窓際に連れて行ってやった
ひとりは寂しいといつか言っていたから。
最後の夜のこと。
朝、おまえの姿はなくなっていた
窓際には溶けてしまった雪の跡があった
うさぎが流した涙だったかも知れない
空へと還るとき
この陽の眩しさが見れただろうか
あったかい。
うさぎは最後まで
自分が雪だと知ることはなく。
来年になったらまた会えるように
冷凍庫は空けておこう。
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