よるのしじまに/夕凪ここあ
つきはなく
ほろほろと
こぼれるよる
さらさらと
はしる少女
かぜをまとって
だれにもはなさず
だれともはなさず
ひとりきり
よるをいく
つきがなく
よるにひっそりと
さみしくなんかないと
かなしみの少女
の
こえがまどから
はいりこむ
ほろほろと
まくらにこぼれる
少女のまとう
かぜのにおい
わすれてく
ねむりのなかに
少女のにおい
あさ少女のしっぽ
にみえるのは
そよぐかーてん
少女はもう
いない
はじめから
いない少女
よるをはしる
ほろほろと
かなしみを
のこして少女が
戻る 編 削 Point(2)