雨だれのおと/Aika
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ひとりになることの恐怖にたえられない。
ふたりでいることの恐怖にたえられない。
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あのひととあのひとはあまりに似ていて、
すこし可笑しい。
一年半の時も一瞬で飛び越えてしまうような大逆転劇
存在と不存在のあいだはほんの薄い壁でしかなくて
そのあいだであがくいきもの。
おとこのひとはふしぎ。
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だあれも本気で助けてくれはしないことはわかっている。
わかっているのに夢をみせるひと。
その夢を信じてる、わたし。
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気がつけばもう7年も、ひとりでいることはなかった。
他者と自己の境界ができはじめてはじめて、
たぶん、ひとりになる。
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