核融合/
こしごえ
幽かなる種の話
そわりそわりと忍びこむ
小さく微動している夜の心音
紺碧の深さに丸く亀裂が走り
静かに芽吹いてゆく密かな呼吸
たらりたらりとしな垂れる
遠く木霊している風の鮮血
透明な重力に細く微笑が零れ
高く浮上してゆく空ろな呼吸
明日のことなど知りえない いまはただ 呼吸を叫ぶ
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