ひかり・ひかる・ひかり/前田ふむふむ
 


さらさら/さらさら/さらさら/さらさら
夜がひかりを浴びている。
さらさら/さらさら/さらさら/さらさら
暗闇の空から、月の青い液状の光線がおおう。模様ガラスをすかしてゆがんだ火焔の抽象。感情をうわずらせて、陰影の窓を粉々に映し出す。ひかりの海の雨をふらせている。海の中の波紋は、次々と渦を巻き上げて、おぼれだして、やわらいだ起伏を塗りこんで、静かな音をならしている。
さらさら/さらさら/さらさら/さらさら
ひかりが侵食して対流をつくる。
ひかり/ひかる/ひかり/ひかる
夏が見える

ひかり/ひかる/ひかり/ひかり
ひかり/ひかる/ひかり/ひかり
きらり/きらり 

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