ペンシル/広川 孝治
座ってた
その時見つけたペンシルが
あの頃僕は君だけを
見つめて胸を焦がしてた
言葉をかわす、それだけで
世界に色が付きました
そんなときめき思い出し
ゆっくりそおっと握ります
転がり出でたペンシルを
いとおしむよに握ります
よみがえるのは切なさと
苦さとときめき、そして寂しさ
どんなに恋うても一切が
戻ることはないのです
自分の生きた年月と
積み重なった経験が
失わせている感情の
重さを噛み締め呆然と。
でも結局はこれからも
生きてゆかねばならないわけで
責任放棄はできないわけで
それを否定はできないわけで・・
それでもやはり昔日の
ときめき忘れてしまってる
今の自分がなんとなく
哀れで悲しくなるのです。
それでもやはり昔日の
ときめき忘れてしまってる
今の自分がなんとなく
哀れで悲しくなるのです・・
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