あえないんです/当麻完二
遠からず近からず
煙突を頬李投げて
真南へ向かう
誤字脱字を流すと
ちらほらと沈む
それが何かを見ていて持ってくれた手の甲を握れれば
昨日は外に出て
今日を川辺で待っていた
あんなにいい加減だった夢は現実を越えて
また目の前に流れて沈む鯉なんです
洗剤のしゃぼんで忘れてしまって
年がら年中空で
ピンク色した下着を脱いで投げる
影は風に煽られて揺れて
ピンク色が地面を焦がして
たんたん
わたしはあなたにあいたいだけで
てんてんてててん
わたしはあなたにあえないんです
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