ストリッパー/ベンジャミン
 
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした

「うちは見せるだけじゃないからさ」って

一番前に座って待った
クリスタルライトに七色のプリズム
ピンクのランジェリーに同じ色の肌
彼女は
音楽に合わせて脱いでゆく
まとうものすべてを

一番前に座って待った
さっきのにいちゃんが指を三本
目の前に並べてみせる
うなずいて
薄暗い個室に連れて行かれた

さっきと同じランジェリー
さっきと違う表情で
彼女は
薄く透けそうな布を脱いでゆく

「あ…あのぉ、それ以上脱がなくていい。俺、ただ寂しかったから
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