ストリッパー/ベンジャミン
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした
「うちは見せるだけじゃないからさ」って
一番前に座って待った
クリスタルライトに七色のプリズム
ピンクのランジェリーに同じ色の肌
彼女は
音楽に合わせて脱いでゆく
まとうものすべてを
一番前に座って待った
さっきのにいちゃんが指を三本
目の前に並べてみせる
うなずいて
薄暗い個室に連れて行かれた
さっきと同じランジェリー
さっきと違う表情で
彼女は
薄く透けそうな布を脱いでゆく
「あ…あのぉ、それ以上脱がなくていい。俺、ただ寂しかったから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)