魔王と出逢った(出逢いの理由)/イズミナツキ
 
銀髪マントを
人間臭い魔王を

「私との出逢いと別れも、そのひとつだ」

わかっていた
出逢いがあれば別れがあることを
だけど
こんな別れ方はあんまりだ

「勇者、いつか私を倒しに来い」

魔王はそう言って
最後に呟くように言った

「また会おう」

そして魔王の声は聞こえなくなった
今まで隣にいた魔王が居ない縁側で
私はひとつの真実を見つけ
ひとつの溜息を落とした
[グループ]
戻る   Point(2)