朝/
前田ふむふむ
土を掘り、自らの骨を埋めていく。――
沈黙した小川で、小鳥が縦笛を取り出して、
零を鳴らすと、風景を黒い眠らぬ泥沼から、
青い乾いた緑地に修正する。――
息詰まる硬質な時をかける夜霧の嘴が、
徐々に森の秘密を抱いて陽炎のような陽だまりに隠れてから、
夜は朝の絞首台の上でうつむきながら息絶える。
炎のような朝を突き刺す朝が、萌えている剣を抜いて、
清々しい生命を大地に与え続ける。
大地を覆う大地が胎動して勢い良く、波立つ。
季節の喝采の中で。
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