消えないでいて/とびまる。
 
顔が消えていくのを
思い出せるくらいなのに

いつも閉じたばかりのドアの前に立たされて
あたしにどんなことでもしてくださいと
あなたに言わされてしまってからは
それまでのあたしの記憶は飛んでしまって
見たこともない部屋でされたことがないことを
しているような気分になってしまう

それから先のあたしは何も考えられなくなって
何をしていたかなんてのはあなたにしか分からない

明かりをものすごく暗くして
あたしの服をものすごくゆっくりと脱がして

あたしの体のどこにも隙間がなくなるように
耳とか首とか肩とか胸とか背中とかおなかとか
おしりとか太ももとかふくらはぎとかつ
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