ガードレール/ベンジャミン
が言っていた
花束
白いガードレールに
とてもきれいに見えた
同じ色の花の中
まるで眠っているみたいに
「話しかけてあげてください」と
言われた
僕は何て言ったのか
思い出せない
雨が降っていた
ずぶ濡れになった
ずぶ濡れに
なりたかったから
白にはどんな色も似合ってしまうから
僕は白が羨ましい
けれど
いつも届く距離にいた
あいつがいない
高鬼で
わざとつかまってくれた
あいつがいない
前を走って
僕の速さに合わせてくれた
あいつに追いつけない
ガードレール
白にはどんな色も似合ってしまうから
僕は白が
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