魔王と出逢った(空の色と涙)/イズミナツキ
 
りと目を覚ました

「私の心もオレンジ色だ」

それは再び恋に燃えようとする意気込みだった
失恋を紛らわす言葉だったのかもしれないけど
私の憂鬱を吹き飛ばすには十分だった
私は立ち上がり

「ご飯食べよ。手伝って」

そう言って
魔王を台所へと連れて行った

「料理か。それなら私に任せろ」

そう言った魔王は
指を切ったり
玉葱の皮を向いたりで
台所では殆ど涙を流していた
[グループ]
戻る   Point(2)