魔王と出逢った(空の色と涙)/
イズミナツキ
りと目を覚ました
「私の心もオレンジ色だ」
それは再び恋に燃えようとする意気込みだった
失恋を紛らわす言葉だったのかもしれないけど
私の憂鬱を吹き飛ばすには十分だった
私は立ち上がり
「ご飯食べよ。手伝って」
そう言って
魔王を台所へと連れて行った
「料理か。それなら私に任せろ」
そう言った魔王は
指を切ったり
玉葱の皮を向いたりで
台所では殆ど涙を流していた
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