雨が降る朝に/
美味
雨が降る朝に
しずしずとした部屋で目を覚ました
浅暗い色を含んだカーテンと
土を打つ雨の音と
何もない僕と
混ざって出来たのは
不思議なくらい心地良い空気
まだ少し湿っている枕も
伏せておいた写真立ても
少しの間だけなら
思い出さない
ぼんやりとした意識は
窓の外にあった鉢の中に
雨水に溺れる花を見ていた
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