綴じる、サイレント/みい
ねぇ、そもそも、
からだの中心ってどこに
あるのかしら?
ただ、
丸くなって眠るきみは
ドーナッツのなかま、みたいねぇ
まんなかの空白のふしぎがやがて
きみの中心のような気がして
わたしはやっと
きみを
好きだ、と思う
わたしのなみだの
とてもあてにならないせかいで
昼間見た
あざやかな蟻の黒の連続に
葬列、という名前をひとりでつけて
お前のねこなら死んでたよ、という夢を
しんしんと埋めてゆく
せっくす はいつも
どうして、というきもちでだけおなかがいっぱいになって
それでもほら、はだかでなら
わたしはきみの汗やなみだと一緒に
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