オウル・クレー氏による"KAWAHAGI"-Pianoforte/人間
「この梟どこから入ってきたの?」
「ふくろう?なんで?あっ、ほんとだ」
「え、こういう時って、どこ電話したらいいの?」
錆びた釘で漆喰の壁に留めてあるゲットーから来ました
飯田橋の汚い川の底から来ました
湯気が出るピアノフォルテの響きの中から来ました
一点の明かり
酔いどれた男たちが
机に磔した可愛い少女の体じゅうに象眼細工の刺青を入れて
生きたまま皮膚を剥ぎランプシェードにします
男の一人が弾くピアノは海になっています
部屋を憎む仄暗い光は少女の瞼越しに溶ける未来永劫です
真っ二つに睨まれる夜だけは真実味が増します
三半規管を揺らすレコ
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