あぜ道迷路/美味
 
知らない田舎だった

真上の太陽は燦然(さんぜん)と輝いて

風は田んぼの苗を優しく撫ぜる

白いリボンの付いた麦わら帽子をかぶった君は

太陽の眩しさのせいか、少しセピア色にみえた

君に近付こうと足を進めたけれど

景色は写真のように動かなかった



そこには肝心の僕が、いなかった。
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