水、お湯、インスタント/クローバー
 
抽象的では、何もわからないと

君の声を、聞いたから

具体的ってなんだよ

と、僕の声を、飛ばしてみた



なべに水を入れて火にかける

なべの内側には、小さな泡がまとわりついて

昇っていって、はじけます



水は、まだ、水なんですかと

言わば、君は言ったので

僕は、お湯にはならない水なんてないんだけど

どこからお湯なのかは、わからないんだ、と言いました



たぶん、これくらいのことだったのに

僕らを、喧嘩させるには、いつの間にやら充分な理由になっていて

それが、僕を傷つけました

君も、きっと、気付いてしまっ
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