雨粒/とびまる。
 
フロントガラスに浮かぶ雨粒は
ちょっとしたお星さまに見える
さーっと拭き取られてしまっても
やあ今日は寒いねと言いながら
僕のところに降り落ちる

ほんの少しの出会い
一瞬のきらめき
あっけない別れ

延々と続く雨は僕に延々と挨拶を繰り返す

新しい雨粒たちは
はるか昔に作られて
今ここにいる僕のために
遠いところから落ちてくる

でもたぶん雨粒たちは
やあ久しぶりと言っている

君のことを忘れたりなんてしないよ

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