少し大きめの河の土手にて吹き抜ける風に抗いながら/かぜきり
ッガんばれよっ
いきなり降って湧いた声は
聴きなれていたはずの声
思い出すことを拒否している声
でもでも
ぁありがとうっーーっ
降ってきたのならば
相手にも降らせてやれとばかりに
投げかけた
届いたはず
届けや届け
そうなるように と投げかける
忘れられているかもしれない かすれかけた声
胸に虚に閉ってある手帳の八ページめ
開けばそこにある
乾燥若布と五十歩百歩の三つ葉のクローバが一枚
何時かあなたが書いてくれた四枚目の葉っぱは
たとえようも無い幸運への願い
すっ
呼気を
ぅぅ
大きく
んく
吸い込んで
がんばぁぁぁっ
無意味に
吼える
吼える
ぁぁぁぁぁっっ
何かが此処にも 満ちてゆく
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