「いつから・・いつになれば・・」/広川 孝治
優越性を保持するために感性を守るふりをするようになったのはいつからだろう
いつからだろう
精一杯生きなくても時が流れてゆくことに気付いたのは
いつからだろう
純粋でなくても生きてゆけることに気付いたのは
いつからだろう
自分が捨て去ったものは、もう二度と取り返すことのできないかけがえのない輝かしいものであることに気付いたのは
還らぬ日々のきらめきを思いながら
惰性に流されているのは
余生に過ぎないことに
いつになれば気付くのだろう
そのまま流されて死んで生きてゆくのか
瞳に情熱の輝きを再び灯して
魂の生を抱きしめて生きてゆくのか
それを選ぶのが自分次第だと
一体、いつになれば気付くのだろう、僕は。
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