夢見る頃を過ぎても/あおば
みんな何処に行ったのだろう
30歳を超えたときに気がついた
前には誰もいない
後ろにも
横にも
気がついたら
いつでも何処でも
誰もいない
空は
いつものように
明るいのに
不思議に静かで
そよとも風も吹かない
何時までも眺めて居ても
誰も来ない
仕方ない
お腹も空かないから
休む気もしないので
今来た道をそのままに
まっすぐ歩いていく
大勢の
知らない人ばかりに会う
大人たちはみんな
忙しそうに働いていて
子供たちも
学校に行ったり塾に寄ったりして
忙しそうに勉強している
いつでも何処でも忙しい景色ばかりで
何処に行っても休んでいる人がいないから
忙しいふりをして、そのまま、まっすぐに歩いてゆく
作2006/02/23
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