「ハーメルンの笛吹き」のこと/竜一郎
 
達の全員をも連れ去ってしまった、
という話だ。…たしか。

 この話は何を言いたいのだろうか。
笛吹き男の言は「労には報いてください」
村長は「かけがえのないものがある」
そして、子どもが連れ去られ
「約束を守らなければいけません」
しかし、どれもしっくりこない。
なぜ笛がネズミも子どもも連れ去ってしまうのだろうか。
とか、そんなことも気になるが、
問題は、子どもたち全員がいなくなる意味だ。
約束の代償にしては重すぎるというわけではない。
子どもたちは連れ去られた後、どうしたのだろうか。

 これを宮沢賢治の童話
「グスコーブドリの伝記」に見ることができる。
ブド
[次のページ]
戻る   Point(1)