在り方を成立させる技術について/いとう
自分とは何か」「自分に詩を書く資格はあるのか」
そちらのほうが、自分にとっては大切な命題だ。
吉野弘という詩人の「祝婚歌」という詩がある。
彼の「I was born」という詩が教科書に載ってるらしいので、
名前を知っている人は多いと思う。
「祝婚歌」は、彼自身が著作権を放棄しているので全文掲載する。
祝婚歌
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
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