耳をすませば/石川
春の頃に出会えた音楽が
夏にはリズムとなり
秋には踊りだし
冬に転調をする
誰もしらない千年をばらばらにして
地図のうえにはりつけたら
まるい太陽に焦がれて浮き出た
あたたかい染みのような音符
僕が持っている透明な闇が
ひるがえる
ひるがえる
ひるがえる
昨日のまぶたから
リズムは高く低く
迷いながらめざめ
ひとが酔いしれる隙もあたえず
今日のひかりと太古のひかりを
星座のようにつなげる
透明な影を包んで
透明な光を抱いて
ことばの螺旋からはみでる
永遠の五線譜と
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