丘のうえから/石川
 


母さんいつも山のなか
池のそばに立っている
時々遠くの海をみて
あちらのほうへ手を振った

母さん海が好きだけど
父さん山が好きだから
ふたりは山を降りないで
仲良くふたりで穴ほった

母さんそこに種をまき
そうして秋のくるころは
たわわにみのる赤い実と
小さなねんねが生まれたよ
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