隙間/a.u.i.
この街にも星はあった
どこか
小さな頃の痛みにもそれは似ていて
それでいて
世界中の貧困と苦悩と悲しみがどっと流れ込む隙間はなかった
-b±√b2-4ac
a=――――――
2a
たくさんの数式が頭を過ぎったけれど
その言葉は音になる方法を知らず
私の中でいつか死んでしまえ
握る手は、
あたたかかった
マニキュア瓶が倒れて
夜の空はきらきらのシンナー漬けになって
もう鳥は空を飛べないね、と私が言うと
それを美しいと言うきみをかわいそうだなんて思わないよ、
みな
どうかしてる
母が一部
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