オレンジホーム/久野本 暁
 
    橙色の町並み

あの時僕は若かった
どんな赤子よりも
姿形無く

    木製の電柱

それでも生きていた
誰かの点と 誰かの点の
間を結んだ線のように

    街頭テレビの群がり

つまりは そういうことだったのだ

どこかに帰る時
橙色を追いかけてしまうのは
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