どっちつかず/腰抜け若鶏
「詩を書くのが趣味です」そう言うと決まって引かれる。
詩って暗い奴が書く意味不明なキモい文だと普通の人は思うらしい。
なので、それを暴露すると嘲りの笑みでもって迎えられる。
芸術を解さない馬鹿な奴らだ、そう言って彼らを切り捨てることはできない。
彼らは僕の友人、それ以上の仲間みたいな存在だ。
なので僕は詩の素晴らしさをいつも理屈で説明しようとする。
「詩っていうのは誰にでも書けるものじゃないんだよ。
普通の人が書く文はどこかで見たり聞いたりしたようなありきたりな文章になる。
でも詩人っていうのはそういうのにもう飽きてしまった人で、
見慣れない表現や、普通なら発想できない比
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