船出/
霜天
ソーダ水の浮上する泡に
空想をのせていける午後
冬と呼べる景色でよかった
北に向いた窓を開けると
区切られた言葉が通り抜けていく
君の途中で
空の色とかたちを書き残す
嫌になるくらい毎日が青かった
短針が落ちていく音を単位にして
僕らは表情を落としていったりする
そして、手を振る
遠くから来て、また過ぎていくだけのもの
離陸するロケットのような雲
手を伸ばせば
君は目を逸らして
駅の隅、乗り遅れた視線を見つけて
君は、またひとり空を出る
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