ジョギング/炭本 樹宏
 

 星の降る丘めざし
 街灯が照らすアスファルトの道を
 凛と涼しい顔で
 背骨をしゃきんと伸ばし
 おいしい空気を吸いながら
 一歩一歩足を進めていく

 リズムをとりながら
 バランスに気をつけながら
 二本の足で走る快楽
 
 夜だけが僕を包み
 景色は移ろい進み融けて行く

 呼吸が僕自信の存在理由になり
 足跡が僕の罪を和らいでくれる
 通り過ぎる人の生活を匂いながら
 僕の進む道が一筋の線となって現れる

 滲む汗を運び去る風は優しく
 何にも囚われることのない自由が
 僕の動脈の中を流れていく

 じっくり味わいながら走るのだ
 この道は未来につながっているのだ
 僕は明日の自分を信じるから走るのだ
 
 走れ

 走れ

 走れ

 そして

 季節を越えて

 跳ぶ




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