恋愛対象外とホヤと現実の話/腰抜け若鶏
 

詩を書く者が現実を書くというのは全くのピント外れなのかもしれないが、
理想ばかりの歌では満足できない。ちょうど私は今、そういう時期なのだ。

時期によって人の趣向は変わる。
今はビールさえろくに飲めないが、いつか私も日本酒とホヤがあれば他に何もいらないと言うのだろう。
最近、カキとウニの味が分かるようになった。

「やっとお前にもこの味が分かるようになったか」なんて言われなければ、
「ああ、オヤジ臭くなっちまった」なんて言う必要もないのになぁ。

誰かに余計な事さえ言われなければ私達はもっと快適に暮らせるんだ。
世界中のみんなが少しでも自分の発言に気を使えるようになれば。
その発言で誰かが喜ぶかを考えるようになれば。

そんなに他人に気を使ってばかりいたら、
僕みたいに人と会うのが苦痛になってしまうのだろう。
だから、それはしかたのない事なのだ。
黙って我慢しなければいけない。それも現実なんだろう。
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