ツァオベライ/
嘉村奈緒
鳴いて、めくれて、日がな一日
あれは長い葬式よ
年輪の遠心力に振り回されて 献花がほうぼうに散っていく
わたしと食卓はそれらの頭上を旋回する
ツァオベラ
葬式の列を行く顔を知らなくてもいいの けれども彼らは言葉を持たないから
かすかな囀りをも逃してはいけない
正しいあなたの汽笛が
ツイイとしずかな線のように響く
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