火の手/竜一郎
 
破壊が興れば
花咲く一面
塵塵に巻かれて
齢千年を重ねて忘却し
乖離は墓守に任命された

不明をごろごろ転がす仔
目的は忘れ物入れに隠れた
大人はからからの蒲団で
軋む喜びに船出した

足りてないのは君の静
飽いているのは僕の動
摘む穂の叫びを愛しんで
刈る定めとは誰がした?

鬼が毎晩嘆いている
あの丘では集会がある
「最近めっきり要請がない」
「代わりを人間が果たすんだもの」
「脅かすだけじゃ足りなくて」
「「殺したり!」」
キャッ、と叫んで鬼は逃げ出す
ピストル持って笑い、男
銃口は己が耳朶の上
  Pam! Pam! Pam!
紅蓮の炎は散ってくれ
人を悼むように 軽やかに
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