死神と私 −回転木馬−/蒸発王
が回り出しました
オルガンの旋律の中
真っ赤な月を浴びて木馬は走り続けます
一周目 金色に回転木馬が光ります
ふと隣りを見ると
小さな男の子が私と同じように木馬に乗っています
笑いかけられたので大人の自分が恥ずかしくなって
目の前にある金ぴかの手すりに目をそらすと
私も
少女に戻っていました
二周目 金色に回転木馬が光ります
膝にかかったキュロットがセーラー服に変わりました
隣りの男の子も中学生くらいに成長しています
私は右手にチョコレイトを持っていたけど
男の子には渡せませんでした
三周目 金色に回転木馬が光ります
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