欲のありて思ふこと/竜一郎
は生まれてる。
争い好きのお坊ちゃまたち。
信じることよ、
〈存在〉を信じることよ」
それらを見ていた雲が感じた
「南無妙法是空。
巡るはすべて喜びなり。
無辜なるものの再来を
吾は待ち続ける」
今日も天は晴れている
殴る手が真っ赤になった、
畦道の脇に落ちたトマトそっくりに
男二人は押し問答
それから幾夜か経って、
あるものはなくなり、
ないものはありつづけた
見つめるだけのものが
口を噤んで笑ってた
畑に差したかざぐるま、
からからからから歌ってた
からから
かっから
からん
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