「透明」という色/ベンジャミン
 
たる空が青さを増して見えるとき
僕は知らずに自分の幸せを重ねている
それは僕の願いであり
そして希望だからだ

たとえ何処かで
争いが絶え間なく続いていても
それを覆い隠すような綺麗な青は
僕自身がつくりだしたに過ぎない


「透明」という色を知っている


真実は色を重ねるほどに
現実に置き換えらて
透明は透明のまま
誰の目にも映らない

それが透明という
都合のいい言い訳だということを
きっと誰もが知っていても
誰もが気づかない

ふりをする


「透明」という色を知っている


それが優しさの一つであることを
僕もまた否定できないまま


「透明」は


今も何処かで
他の色に塗り変えられている



    
戻る   Point(5)