「透明」という色/ベンジャミン
たる空が青さを増して見えるとき
僕は知らずに自分の幸せを重ねている
それは僕の願いであり
そして希望だからだ
たとえ何処かで
争いが絶え間なく続いていても
それを覆い隠すような綺麗な青は
僕自身がつくりだしたに過ぎない
「透明」という色を知っている
真実は色を重ねるほどに
現実に置き換えらて
透明は透明のまま
誰の目にも映らない
それが透明という
都合のいい言い訳だということを
きっと誰もが知っていても
誰もが気づかない
ふりをする
「透明」という色を知っている
それが優しさの一つであることを
僕もまた否定できないまま
「透明」は
今も何処かで
他の色に塗り変えられている
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