「白い月と二羽の鳥」/hiyoku
 

白い月と二羽の鳥
突風はもう止んだみたい

始終 あの娘(こ)を思って日が沈み

ちらり盗み見た紙面で「世界」を知る

真っ直ぐに 真っ直ぐに気持ちをぶつけたら
あの娘は
口をつぐんで

真っ直ぐに 真っ直ぐに世界を見つめようとしたら
心のしじまが
震えた

同じ白い月の下 二羽の鳥の行末を思うのと
同じ白い月の下 世界の何処かの「現実」を思うのと


同じ白い月の下 あの娘の今日を思うのは


まあるく 繋がっている


ドミノ倒しのように思いはかけめぐると
ブラウン管の中の その人は言った

ぐるり まわって

いつか思いが あの娘や「世界」に届くように

真夜中が駆け始めた頃
僕は


祈った。
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