今日のおわりに/LEO
 
指先の凍えるのも忘れ
口唇の乾くのも忘れ
午前二時は月明かり

爪先はいつしか
その方へと向かい
消えて浮かんで
また消えて
巡らす想いは
蒼白い夜の膜を
揺らしながらも
冷たさの中では
この手を
掴んではくれない

銀の翼をした風が
明日の匂いを運ぶなら
それを標に
行けるだろうか
想い巡らし
静けさの中にも
凛と、音色が聞こえて
ゆるやなか弧を描く
遠い山の稜線が
微かに振るえた気がした


もう、おやすみ


声がする


囁いたのは、誰?
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