対話篇/アマル・シャタカ
ある人が君に言った
愛というものはダイヤの原石
諦めずに磨き上げなさい
今投げ出せば
唯の石ころ
と
そして君は
僕にこう言った
愛は綺麗で美しくなければ
誰も価値を見出さない
いずれ輝くその宝石に
私は賭けてみたいの
曇らないよう
時々
手入れしながら
と
君に僕が
答えてこう言った
石ころは愛じゃないし
ダイヤも愛ではない
君と二人で
磨き上げるという
その行為こそ
愛なのだと
君と拾い上げた貝殻を
二つに割って
そんな無価値なものが
僕たち二人にだけ
かけがえのないものになる
そんな世界
姿は見えずとも
君の頬を撫でて
木々を揺らして
存在を知らしめる
この風のようなもの
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